ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
- ページ
- 33/90
このページは Health Management for Female Athletes の電子ブックに掲載されている33ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Health Management for Female Athletes の電子ブックに掲載されている33ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Health Management for Female Athletes
5.コンディションに影響を与える女性特有の問題への対策月経困難症や月経前症候群,ホルモンの変動に伴うコンディションの変化など,さまざまな女性アスリート特有の問題があります.これらの疾患に対する治療指針は疾患ごとに異なりますが,実際の診療においては,月経困難症と月経前症候群を同時に抱えていたり,月経困難症と月経周期の調節(月経をずらす),月経前症候群と月経周期の調節といったように,アスリートにおいては常に大会や練習日程に合わせた「月経周期の調節」を念頭に置く必要があります.また,一般女性と異なり,アスリートでは使用する薬剤がドーピング禁止物質を含んでいないか必ず確認する必要があり,一般女性で使用される薬剤が使えないケースもあります.婦人科で使用される機会が多い薬剤はホルモン剤です.アスリートやコーチがこのホルモン剤に対し,最も懸念することは「体重増加」であり,「ホルモン剤=太る薬」という認識を持っているアスリートやコーチは多いでしょう.婦人科で使用される機会が多い経口避妊薬(Oral Contraceptives:OC)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(Low-dose EstrogenProgestin配合薬:LEP,いわゆる低用量ピル)については,近年さまざまな種類が認可されており,体重が増えにくいOC・LEPも経験的にわかっています.しかし,体重が増加しにくいOC・LEPにおいても,減量競技においては体重の落ちにくさが問題となりますし,低体重を求められる競技においては特に服用後の体重を慎重にみていく必要があります(図1 6).また,より体重管理に影響を与えないホルモン療法が産婦人科医にとっての課題であり,現在その1つの試みとしてOC・LEP以外の薬剤である「プロゲスチン製剤」を使用した月経対策を試みています.引き続き調査を行っていきますが,体重管理に影響を与えない月経調節法を考慮し,アスリートにおける治療チャート(図17)と実際に行っている具体的な投与法の例を紹介します.31