Q&A

病気

生理痛はあるのが当然だと思っていました。どこからが病気なのでしょうか?

日常生活に支障をきたしたり、痛み止め(鎮痛薬)を飲まなければ耐えられないほどの痛みがある場合は、「月経困難症」といいます。月経困難症でも、何らかの疾患がある場合と無い場合があり、それぞれ「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」と呼んでいます。

器質性月経困難症

何らかの疾患が原因となっている月経困難症を指します。原因となる疾患は「子宮内膜症」「子宮腺筋症」「子宮筋腫」などがあります。一般的には、20代後半以降に多く見られ、痛みが生理期間以外にも生じることがあります。

機能性月経困難症

特に疾患が見当たらない場合、機能性月経困難症と呼びます。一般的に、子宮や卵巣が未成熟な思春期から20歳くらいまでに多く見られます。痛みの原因は、プロスタグランジンとよばれる子宮を収縮される物質だと言われています。

治療を受けるタイミングは?

「日常生活に支障があったり、痛み止めを常用する必要があるような痛みがある場合」「生理の周期が25~38日間でない」「経血がレバー状のかたまりがある」など、生理について異常を感じたらすぐにでも専門医に受診してください。生理期間中であっても、適切な診察が出来ますし、むしろ、生理期間中の方が異常が見つけやすい場合もあります。タイミングはあまり気にせず、気がかりなことがあれば、早めに受診した方がよいと思われます。

生理がこなくなりました。病気ですか?

生理の周期はおおむね25〜38日間といわれています。39日を過ぎても生理が来ない場合は、妊娠か月経異常を疑います。いずれにせよ、産婦人科で受診が必要です。

診察・診断

生理痛で悩みがありますが、周囲に相談できる人がいません。どうすればいいでしょうか?

産婦人科医に相談することをお勧めします。産婦人科は、女性の身体のプロです。生理痛の悩みだけでも、近くの産婦人科医に受診・相談してください。
また、生理によるコンディションの変化など競技成績に関係する場合もありますので、可能であれば指導者にも相談した方が望ましいかもしれません。
「Q.誰に相談すればいいか分かりません。」も参考にしてください。

産婦人科ってどんなところですか?

産婦人科といえばお産というイメージが先行しがちですが、実は、産婦人科は女性の身体のプロなのです。女性はライフステージによって、体がめまぐるしく変化します。その全ての段階において、サポートするのが産婦人科です。年代をとわず、女性の身体特有の悩みを相談できます。

生理痛から疑われる病気は何ですか?

生理痛を引き起こす疾患はいくつかあります。

子宮内膜症

本来、子宮の内側にある「子宮内膜」という組織が、それ以外の場所に出来てしまう疾患です。放置すると、不妊やがん化する恐れがあると言われています。子宮内膜症が子宮筋層にできると「子宮腺筋症」と呼びます。

子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍です。放置すると巨大になる恐れがありますので、適切な診察・治療が必要です。子宮の内側にできると「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできると「筋層内筋腫」、子宮の外側にできると「漿膜下筋腫」と呼び、分けて取り扱っています。

子宮腺筋症

「子宮内膜症」が子宮筋層内にできることが、子宮腺筋症です。子宮筋腫は放置すると子宮が腫れてしまったりします。また、子宮筋腫と合併する事がよくみられます。

卵巣嚢腫

卵巣に良性の病変ができて、腫れてしまうことです。発生する原因によって、表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに分類されます。

治療

生理痛(月経困難症)は、どんな治療をしますか?

大きく分けて、鎮痛剤による治療とホルモン剤による治療があります。鎮痛剤は痛みに対する対症療法です。ホルモン剤は女性ホルモンを補うことで、体内のホルモンバランスを整えます。
なお、ホルモン剤はドーピング防止規程の禁止物質に該当するものがあります。医師と相談し、適切な治療方法を選択する必要があります。

妊娠・出産・不妊

将来、妊娠・出産をしたいです。今のうちから、気を付けることはありますか?

生理痛や、無月経、月経異常の状態を放置すると、将来の妊孕能(妊娠する力)に影響を及ぼします。特に、生理痛の原因の1つである「子宮内膜症」は、不妊につながる疾患の1つです。
生理の異常を感じたら、とにかく産婦人科を受診することが一番の対策です。

無月経の状態を放っておくと、不妊につながるって本当ですか?

本当です。無月経の状態を長く放置すればするほど、月経がある状態(排卵がある状態)に回復するのが難しくなっていくと言われています。排卵がなければ自然に妊娠することはできませんので、妊娠を希望する場合は、特に早期受診・早期治療が重要になってきます。

運動

激しい運動を始めたら、生理が来なくなりました。どうしてですか?

運動している女性で生理が止まってしまうケースはよくみられます。この原因は、「エネルギー不足」といわれています。つまり、「運動によって消費されるエネルギー」に対し「食事から摂るエネルギー」が極端に不足した状態を指します。生理は赤ちゃんを作る準備状態です。エネルギー不足が長期間続くと、「自分の身体を守るのが精一杯で、赤ちゃんを作っている場合ではない!」と身体が判断し生理を止めてしまいます。アスリートにおいて、無月経は疲労骨折のリスクを高めることが明らかとなっています。無月経を放置する期間が長いほど、治療に時間がかかりますので、3か月以上生理が止まっている場合は、産婦人科を受診しましょう。

無月経の場合、どんな治療をしますか?

アスリートの無月経は、エネルギー不足が主な原因と言われていますので、まずは食事量と運動量の見直しが大原則となります。体重が回復しても月経が来ない場合や既に骨密度が低下している場合は、ホルモン補充療法を考慮します。なお、ホルモン剤にはドーピング禁止物質を含むものがありますので、医師と相談し、適切な治療方法を選択しましょう。

1年以上前から無月経の状態が続いています。数ヶ月後には、代表選抜をかけた大事な試合が控えています。治療をすることによって、コンディションに影響することはないですか?

無月経に対する治療を行ってコンディションが低下するケースは少ないですが、使用する薬剤に対する反応は個人差があるため、影響が全くないとは言い切れません。ただし、治療を開始する時期は、試合日程や練習のスケジュールを考慮して選手と一緒に決めていきます。生理が来ない状態を放置すると、骨密度が低下し、疲労骨折やその他の故障のリスクが高まり、かえって競技生命を短くすることになりかねません。また、妊孕能(妊娠する力)にも影響を及ぼしてしまいます。ライフプランニングや引退後の生活を含めた長期的な視野に立つと、できるだけ早期に治療することが望ましいです。専門医と相談し、自分のライフプランをしっかりと考えつつ、無理の無い治療スケジュールを立てることが大切です。

誰に相談すればいいか分かりません。

がんばれ!やまとなでしこプロジェクトでは、特定の病院・クリニックの紹介・推奨はしていませんが、プロジェクトで実施した講習会を受講した医師を公開しています。また、様々な団体が、スポーツドクターの資格を認定しています。女性疾患についても詳しい産婦人科医で、これらの資格をもっている医師を探すのも1つの手段です。
いずれにしても、指導者や保護者などとも相談し、自分が納得したうえでかかる病院を決めるのが良いと思われます。

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